父がきっかけをくれた、最高級のクルマへの憧れ
私が子どもの頃、父が乗っていた愛車はフォルクスワーゲンの78年式ビートル。よくドライブに連れて行ってくれたのを鮮明に覚えています。
そんな父を見てきたせいか、入社する前から輸入車に興味がありました。特にメカニックを志した時から関心があったのは、メルセデス・ベンツ。「最高級のクルマをいじってみたい」という憧れが強かったですね。
国産ディーラーに勤めると輸入車を整備することは一生ないかもしれないと思ったのと、ヤナセで扱うクルマは衝突防止システムが搭載されるなど、自動化、エレクトロニクス化が進んでいます。最先端の技術が凝縮された輸入車に携われることに、メカニックとしてやりがいを感じました。
基本の工程に+αを加えてお客さまの予想を裏切る、毎日の積み重ねが信頼に
日々の業務では、クルマの定期点検、故障診断、修理を行っています。乗車されるお客さまの姿を想像しながら、ボディチェックを入念に行い、丁寧に扱うよう心掛けています。
クルマの整備が終わると、仕上げにドアの内側やホイールの内側、フレームペダルまで磨いてお返しします。「なぜそこまでするのか」と不思議に思うかもしれませんが、細部まで行き届いた清掃が行われていると、きっとその思いはお客様にも伝わると思っているからです。
また、インパクトレンチのようなツールは車体に傷を作りやすいため、使わないのがヤナセ流。
目で見て確認できない深い位置にあるボルトは手先で感覚を覚え、丁寧に手作業で取り外します。ある意味、職人的と言えるかもしれませんが、間違いのない技術を身に付けられることが、ヤナセのメカニックの強みです。
技術面と同じくらい、お預かりしたクルマを大切に扱う「心配り」も重要です。新人時代に、車体を傷つけない工程やコツを先輩から徹底的に学びました。またお客さまの「安全」をお預かりしている以上、部品の取り付けひとつにも細心の注意が必要です。新人のときから先輩に「信頼を得ることは難しい。信頼を失うのは一瞬だ」と教わってきました。ご要望を上回る仕事をすることが信用に繋がると信じています。
世界最先端の技術に触れられるのは、ヤナセならでは
メルセデス・ベンツのような最先端のクルマの故障診断には、パソコンなくして作業は行えません。日進月歩で進化するシステムを把握し、整備手順を確認するため、随時ドイツ本国のメーカーの情報にアクセスし、データに目を通しています。
新車だけではなく、長い間、大切にお乗りになっている古い型のクルマをお預かりして点検することがあります。私がこれまで扱った中で一番古い車種は1970年〜80年代のメルセデス・ベンツ W126(C126)です。メカニックとして、古い年代のクルマから最先端システムのクルマに触れられる点も魅力と言えるでしょう。日々進化する技術にキャッチアップするために、月に1回はメカニック同士が集まって、情報交換のための勉強会を開いています。
就活中の学生へ
国際大会の「グローバル・テックマスターズ」出場を目指し、世界レベルの技術を習得
ヤナセは社員の技術指導に力を入れている会社です。私も将来は故障診断士の資格取得と、メルセデス・ベンツが2年に1度開催する、国際的なサービス技術コンテスト「グローバル・テックマスターズ」への出場を目指しています。
日本大会で優勝したメンバーは、ドイツで行われる国際大会に日本代表として参加します。私の職場の工場長は「テックマスターズ ジャパン」で優勝した経歴を持つ技術者です。出場へ一歩でも近づけるように、日頃から積極的に工場長へ質問をしています。世界レベルの技術を磨きたい人には、是非おすすめしたい環境です。
クルマのある人生
妻との長距離ドライブで、行きたい場所ならどんな遠くにも
車種:SUBARU LEGACY
年式:2004年式
乗っている期間:5年
休みの日には、趣味のスノボのほかに、夫婦でよく旅行に行っています。先日は、群馬から片道約700キロほどを運転して兵庫まで行きました。妻も運転が好きなので、半分くらいの距離を運転してくれます。「僕が運転するよ」といつも言うんですが…。牛タンを食べるためだけに、2人で仙台へ出かけたこともあります。
今、一番乗りたいクルマは、メルセデス・ベンスのC-Class(W204)です。C-Classの良さは安全性などいろいろありますが、やはり乗り心地は別格ですね。クルマが好きなメカニックの同僚に聞くと、最高だと思う車種は人それぞれ違うようですが、自分の中では、デザイン性や機能において完成されたクルマだと感じます。